妻がうつ病に
出産をきっかけにうつ病が引き起こされることもあります

よくあるケース「里帰り後」
日本ではよく、出産を機に妻が実家に身を寄せるケースがみられます。実家にいる間、妻は育児の大先輩である母親のもとで心身ともに休まりますが、里帰り後は、家事や育児の負担などでいっきに疲労がたまってしまいます。例え帰省はしていなくても、出産をめぐって妻のこころの中、そして生活には大きな変化があらわれます。エストロゲンという体の変化だけではなく、出産は女性にとって大きな心理的、肉体的負担となることがあるのです。
本人だけでなく、こどもの成長にも影響を及ぼしかねません
はじめての出産を経験した女性や、双子を出産した女性には抑うつ傾向が強いともいわれており、出産にともなう不安が大きいほどうつ病を発症する危険性が高いといえるでしょう。また、抑うつ傾向にある女性は、赤ちゃんに関心を持たなくなる場合もあるといわれています。産褥期うつ病(産後うつ病)は、女性だけでなく、こどもの発達にまで影響を及ぼしかねない問題なのです。産褥期うつ病(産後うつ病)を防止するために、家族の協力が必要なのはいうまでもありません。「はじめてのお産で、とまどっているのだろう」「育児疲れでイライラしているだけ」などと片づけずに、まずは産褥期うつ病(産後うつ病)を疑ってみることが大事です。

Q 時間の経過とともに、こどもへの愛情を感じてうつ病が治るのでは?
A 女性は出産を機に、生活が180度変わることがあります。育児のために仕事を退職したり、外出が困難になったり、経済的な不安が増えるといった環境の変化は、うつ病を発症させる要因となります。目の前の赤ちゃんに強い関心を示さないことがあっても、それは愛情が足りないのではなく、病気のせいだと理解してください。育児は、うつ病の治療薬にはなりません。

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