不眠症
良質な睡眠をとるコツ
不眠を解消するには、先に紹介したような不眠の原因を取り除き、それに加えて、自分なりのリラックス法を工夫したり、規則正しい生活を送ることが大切です。快眠のコツを紹介しますので、できそうなことから毎日の生活に取り入れましょう。
■眠たくなってから寝床に入り、起きる時間は一定に
- ・「眠らなければ」と意気込むと、かえって緊張して眠れなくなります。眠れない時はいったん寝床から出てリラックスし、自然に眠気を覚えてから、再び寝床に入るようにしましょう。
- ・寝る時間は遅れても、朝起きる時間はできるだけ一定に保ちましょう。毎朝決まった時間に起床し、日光を浴びることで、睡眠と覚醒のリズムが整いやすくなります。夜更かしをしたので、遅くまで寝ているということはないようにしましょう。
■睡眠時間にこだわらない
- ・人によって必要な睡眠時間はさまざまです。歳をとると、睡眠時間が短くなっていくのは自然なことなので、「〇時間眠らないといけない」とこだわる必要はありません。日中に眠気で困らない程度の自然な睡眠をとることが一番です。
■寝る前の刺激物を避ける
- ・アルコールは一時的に寝つきをよくしますが、睡眠が浅くなるため、熟睡感が得られなくなります。
- ・ニコチンには覚醒作用があるため、就寝前に喫煙すると、寝つきを悪くなり、睡眠が浅くなります。
- ・就寝前の3~4時間は、カフェインの摂取を控えましょう。カフェインの覚醒作用により、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなります。カフェインには利尿作用もあるので、夜中に尿意で目が覚める原因にもなります。
- ・眠る前にスマホやテレビなどの強い光を浴びると、眠りの妨げになります。
■快適な寝室づくりを
- ・寝室の温度や湿度は、冷暖房や加湿器などをうまく利用して、心地よいと感じられる程度に調整しましょう。
- ・眠る前の寝室の照明は少し暗めにしましょう。物音なども、できるだけ遮断するとよいでしょう。
■規則正しい食事と適度な運動
- ・ウォーキングやストレッチなどの適度な運動を習慣にすると、心地よく眠れるようになります。ただし、就寝前の激しい運動は入眠を妨げるので控えましょう。
- ・しっかり朝食をとると、目が覚めて体のリズムが整います。夜食を摂る場合や空腹で眠れないときは、消化のよいものを少しだけにしましょう。
それでも良くならない場合は?
環境を整えるなど、いろいろな工夫をしても不眠が続き、日中の生活にも影響があると感じたときは、できるだけ早めに受診しましょう。症状にあった睡眠薬を処方してもらい、一定期間、服用することも大切です。睡眠薬というと、依存症を心配して飲むことに抵抗を覚える人もいるかもしれませんが、現在、広く使われている睡眠薬では、用法・用量を守れば、依存の心配も少なくなってきています。うつ病などのこころの病に進行させないためにも、まずは薬の力を使って、しっかり心身を休めることが大切なのです。
次のページでは、▼睡眠薬Q&Aを紹介します。
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